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飛騨の民話 安国寺(あんこくじ)のきつね小僧 [飛騨の民話]

  むかしむかし、、、。

 

 飛騨の安国寺に桂岳(けいがく)という和尚(おしょう)さまがござった。

和尚さんのお母さんは、とっても狐きつねアイコンをかわいがらしゃったし、小僧たちも大事にしるので、ようなついた小狐がおったんやって。

 そのうちに、尻尾(しっぽ)も出さんと狐アイコン化けることも覚え、小僧さんたちといっしょにお経を読んだり、

 座禅(ざぜん)をしたり、その上とっても行儀がええので、和尚さんにもかわいがられて『蛻庵(ぜいあん)』と名前をつけてもらい、一生懸命修行に励んでいたそうです。  

 ある年、和尚さんは木曽福島の興禅寺(こうぜんじ)の住職になって行きました。

 蛻庵もいっしょにお供して小僧の姿のまんま、お寺に暮らしておったそうです。

 ある日、和尚さんが「蛻庵や、すまんこっちゃがこの手紙を、安国寺まで届けてくれまいか。」と頼みました。

 蛻庵はなつかしい安国寺へ行けるんで、嬉しゅうて嬉しゅうてどもならなんだ(しかたがなかった)んやって、、。

 「蛻庵、お前さんがどんなに急いでも、途中一泊せずばなるまいのう。

 たとえ一夜の宿でも、決して猟師の家に泊まるではないぞ[exclamation]」と、

和尚さんからしかと申し付けられた蛻庵は、さっそく身支度(みじたく)を済ませて飛び出したんですって。

 蛻庵は夢中で地蔵峠(じぞうとうげ)を越えようとしました。

安国寺へ帰れる嬉しさで、汗[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]をふくのも忘れて[ダッシュ(走り出すさま)][ダッシュ(走り出すさま)]走り続けました。

 しかし、長峰峠(ながみねとうげ)で、[晴れ]日もとっぷり[台風]暮れてしまい腹もペコペコになってしまいました。

 そして、日和田村のある百姓家に辿り着き、

「今晩は、安国寺へ行く旅の者ですが、一晩泊めては下さるまいか。」と頼みました。

 見るとかわいい小僧さんが立っておるので「こんねおそうまでご苦労様や、はよう入ってまんま(ごはん)くわっしゃい。」と、とっても親切に泊めてくれたそうです。 

 蛻庵は腹がふくれると、今日の旅の疲れで、うとうと眠り[眠い(睡眠)]はじめました。

 ところが、そこは運悪う猟師の家なのでした。 

 猟師のおやじは、明日の猟のために鉄砲の手入れを始めて、筒穴(つつあな)からふと小僧をのぞいて、

「おりょりょ、こりゃいったいどういうこっちゃ。狐が寝とるぞ……[exclamation&question]

 猟師はびっくりして、あわてて鉄砲から目を離しました。

すると、

「ありゃ、やっぱし小僧さんじゃ。」

何べん繰り返して見てもおんなじやったそうです。

「おりゃ、どうかしとるんやろか。そやが昔から狐は夜さしか化けんもんじゃということじゃ、、、。

仕方ないで朝まで待つか。」  

 日和田の[晴れ]朝は早い。

 ていねいにお礼をのべた蛻庵は、百姓家をあとにしました。

 猟師は鉄砲を取り出すと、筒穴を通いてもう一度小僧をのぞいてみました。

「あっ、やっぱし狐じゃ[exclamation]、この狐め、よくも人をだまいたな[exclamation×2]」 

 鉄砲に弾(たま)をこめると、ねらい[目]を定めズトーン[どんっ(衝撃)]。 

 蛻庵は弾き飛ばされまいごのきつねエンド、からだをぴくぴくさせていたがとうとう動かんようまいごのきつねエンド パステルになってしまったそうです。

「この化け狐め[exclamation]おりさまの(俺の)鉄砲にゃ、かなわんじゃろ。」 

 得意顔で近づいた猟師はまたびっくりしました。

たしか狐を撃ったはずなのに、そこには小僧さんが血だらけになって倒れておった。

 「こりゃとんでもないことをしたぞ、[がく~(落胆した顔)]こりゃよわったことになったぞ。[がく~(落胆した顔)]

驚いた猟師は、どうしりゃええのか、さっぱりわからず、倒れとる小僧さんを抱き起こそうとしたら、ふところから手紙[mail to]が出てきました。

 猟師はすぐに手紙を持って福島へ走りました[ダッシュ(走り出すさま)]

「なに、日和田から人が来た。さては。」

「蛻庵よ、撃たれたか。」猟師といっしょに日和田についた和尚は、

「おお蛻庵よ、そちは死んでも正体を現さなんだのう。感心なことじゃった。苦しかったろうに、もう安心して成仏せい。」 

 和尚さんは手を合わせると、般若心経(はんにゃしんぎょう)を三回くり返し唱えました。

 すると不思議にも小僧さんのからだは、だんだんと狐の姿Fox きつね パステルになっていったそうです。 

 その後、日和田で流り病(はやりやまい)が広がったことがあったんですって、、、。

 すると村のもんは(衆は)こりゃきっと狐小僧のたたりじゃと、福島のお寺までわざわざ供養してもらいに出かけたそうです。 

安国寺には蛻庵稲荷がまつってあって、お堂の下に揚豆腐(あげどうふ)を置いとくと、いつの間にやら無くなっとるって話です。

 ちょっと可愛そうな子狐ちゃんのお話でした、、、。足跡 小 うすいオレンジ 足跡 小 茶色 足跡 小 オレンジ 足跡 小 赤 足跡 小 白


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コメント 4

SilverMac

飛騨民話、良いですね。
by SilverMac (2008-07-01 21:09) 

sak

狐が出てくる民話...お伽話
いつも悪いことをしていないのに
殺されてしまう...
子供のころ読んで泣いちゃった「ごんぎつね」
思い出しました。
by sak (2008-07-02 16:02) 

京男

こんばんは。
安国寺だ。懐かしいな。まだ国府町の頃に行きました。
輪蔵をまわさせてもらい感激したのを覚えています。
by 京男 (2009-06-10 18:26) 

西川

はじめまして書籍の編集をしております西川と申します。蛻庵稲荷に関しての記事を企画中なのですが、稲荷の画像に関してお願いがあり投稿させて頂きました。
もし宜しければメールで詳細などを連絡出来ればと思います。

其れでは宜しくお願い致します。
frosh@gol.com
by 西川 (2014-04-16 17:03) 

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